タイ政府は5月労働者の最低賃金を全国で日額400バーツ(約1,720円、1バーツ=約4.3円)に引き上げる計画について閣議承認が行われたことを発表しました。
加えて、今年4月(26日)には、賃金委員会の会合にて、主要観光地である10カ所の指定地域の4つ星以上(従業員50人以上)のホテルについて、従業員の法定最低賃金を1日400バーツに引き上げることが決定し、4月13日から施行されました。
以下、10カ所の指定地域:
▼バンコク都パトゥムワン区とワタナー区
▼南部クラビ県アオナーン地区
▼東部チョンブリ県パタヤ市
▼北部チェンマイ県チェンマイ市
▼西部プラジュワブキリカン県フワヒン市
▼南部パンガー県ククカク地区
▼南部プーケット県
▼東部ラヨン県バンペ地区
▼南部ソンクラー県ハジャイ市
▼南部スラタニ県サムイ島
4月時点では、特定の業種・一部地域に対して、限定的に賃金の引き上げを行うとしておりましたが、今回の閣議承認では2024年の9月~10月にかけて新たな最低賃金が適用されることを見込んでおり、実現となった場合2024年に入って3回目の引き上げとなるとしています。
一方で、全国一律引き上げに対し、経済協議会や団体やタイ商業・工業・銀行合同常設委員会(JSCCIB)からの強い反対の声もあがっおり、GDP成長率やインフレ率、雇用者の財務状況など、各県の経済データに基づいた新料金の検討や、雇用者と従業員の技能の維持・向上を奨励するために賃金を技能給ベースで支払いを行うべき等の声もでています。
地元紙でも、タイ経営者連盟(ECOT)は通貨バーツの変動やインフレ、エネルギー価格、国際貿易障壁などで、タイ経済が脆弱(ぜいじゃく)な段階にあることを背景に、最低賃金引き上げに良い時期ではないとして、労働省と政府、使用者、労働者の三者賃金委員会に賃上げ案に反対する書簡を提出しています。
上記に対し、ラチャキットプラカーン労働相は「政府は10月1日の最低賃金引き上げ方針を撤回しない」と明言した上で、特に中小企業に対する賃上げの影響を注視しつつ、必要に応じて適切な支援策を提供するとしており、商務省が製品価格への影響についての調査など、財務省は起業家を支援するための税制措置を担当するとしています。
最低賃金引き上げに関して、現状適切な時期ではないとして反対の声も多く上がっている一方、今後の動向への注視が必要となります。
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