バングラデシュでは、他国と比較して国外への送金に対する規制が厳しいです。送金可能な名目や条件は以下の通り複数ありますがここでは親子ローンについて紹介します。
※親子ローン以外の記載している名目については別途配信をご確認ください。
・国外送金可能な名目
-配当(Dividend)
-ロイヤリティ(Royalty)
-親子ローン
-技術支援料(Technical Know How Fee)・技術サポート費用(Technical Support Fee)
-コンサルティング費用(Consultancy Fee)・トレーニング費用(Training Fee)
-海外支店からの利益送金
-給与送金・駐在員帰任時の本国への送金
-輸入決済
・親子ローンの種類
バングラデシュには、親子ローンに短期ローン(Short-Term Loan)と長期ローン(Long-Term Loan)の2種類が存在します。この2種類のローンではローンの受入れ条件及び利息と返済期限などの取り扱いが異なります。
短期ローン…返済期間1年未満のローンを指す。
長期ローン…返済期間1年以上のローンを指す。
・親子ローンを受け入れるための要件
前提として、以下3つのうち、いずれかに登録、登記している必要があります。
外国為替取引ガイドライン(15章1条)によれば、長期ローンの場合には以下の省庁からの事前許可を取得する必要があります。
(1)投資庁 BIDA:Bangladesh Investment Development Authority
(2)輸出加工区庁 BEPZA:Bangladesh Export Processing Zone Authority
(3)経済特区庁 BEZA:Bangladesh Economic Zone Authority
※BEPZA及びBEZA内の企業は、会社を登記する過程でBEPZA及びBEZAへの登録が必要となりますが、BEPZA及びBEZA外に登記された企業は、BIDAへの登録を行っていない場合があります。
・子会社の定義
親子ローンは親会社からのローンを指しますが、特にバングラデシュ現地法人の場合は、バングラデシュ資本や他国籍資本との合弁企業を組成することもあり、バングラデシュの事業体が子会社であるかの判別が不透明な場合があります。
以下、外国為替取引ガイドライン(16章1条4A)に定められている子会社(Foreign owned/controlled companies)の定義です。この定義に含まれる子会社が、国外の親会社よりローンを受け取ることができます。
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定義
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(1) 国外法人のバングラデシュ支店
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(2)“Partnership”の場合
a. 51%の資本が外国人に保有されている
b. 過半数の“Partner”が外国人である
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(3)会社の場合
a. 51%以上の株式を外国法人もしくは外国人が保有している
b. 半数以上の取締役が外国人である
※株式の所有割合、取締役数が同じである場合は、
Chairmenが外国人であれば子会社とみなされます。
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・親子ローンの利息と返済
短期ローンについては製造業だけではなくサービス業も対象で、基本的には無利息であるものの最大3%の利息が認められています。返済期間は1年ですが、最大6年まで延長することができます。
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短期ローン
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長期ローン
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返済期間
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1年未満(最大3年まで延長可能)
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1年以上
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許可の要否
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事前許可不要
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事前許可必要
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利息
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最大3%まで
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有利息
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対象業種
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製造業・サービス業
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製造業
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短期ローンは1年未満のローンとして定義づけられているものの、設立直後の現地法人が1年以内に返済することは困難であることが多いため、設立直後の企業に限り返済期間の延長が可能です。まず、1年以内の返済が難しい場合には3年間へ延長し、その後さらに3年間の合計6年間に延長ができることになっています。
(例)
2000年に設立した会社が2000年に短期ローンを受け入れた場合、2回の延長を経て最大で2006年まで返済期限を延ばすことができます。
2002年に受け入れた短期ローンは、2008年(2002年から6年後)ではなく、設立から後6年後の2006年までに返済する必要があります。
2006年以降(設立から6年後以降)に短期ローンを組む場合は1年以内に返済しなければなりません。
・ローンの受け入れプロセス
親子ローンの送金の際には以下のプロセスで事前にBIDA(もしくはBEPZA, BEZA)より親子ローン受け入れの許可を取得する必要があります。
1.BIDAへローン受け入れ申請
(長期ローンの場合のみ)
2.各銀行へ申請
3.各銀行よりローン受け入れ手続き完了
・必要書類1.定款及び登記書類
2.ローン受け入れを承認した旨の取締役会議事録
3.ローン契約書
4.ローン請求書 等
・留意点
ローン返済時に利息を送金する場合には、前払法人税(AIT)として税金が引かれます。
日バ租税条約の税率を適用するためには税務署より証明書を発行してもらう必要があります。税金とは別に銀行の手数料も発生します。
【国外への利息送金】
以上