登記抹消はマレーシア会社登記所(CCM)の長たる会社登記官がその権限において、登記抹消に関する官報(Gazette)で告知後、法定期間30日を経ても何人からも不服申し立て(Objection to Striking Off)がない場合に行うことができる手続です。 従前、この方法による会社清算はほとんど行われることがありませんでしたが、マレーシアでは実質的に休眠中の会社が多く、それらを整理するために、CCMがこの方法を用いて稼働していない会社の登記抹消を始めた経緯があります。 会社法549条には、会社登記官が自ら先手を打って登記抹消を行うように記されていますが、現実的には、会社の株主または取締役が会社秘書役を通じて登記抹消申請をします。 登記抹消の条件は、事業活動が停止していること、債権・債務が一切ないこと、係争案件がないこと、従業員がいないことなどです。 株主による任意清算と比べると、条件が整った会社なら、登記抹消のほうが時間的にも金銭的にも簡易です。費用は会社秘書役とCCMへの支払の合計で、5,000RM程度です。条件が整った状態で申請すれば半年以内に、会社はCCMの会社登記簿から抹消されます。 なお、日本の上場企業が子会社であるマレーシアの現地法人を、登記抹消によって清算した例は、ほとんどありません。なぜなら、日本の国税庁ならびに株主が、登記抹消による清算という説明を受け入れない可能性があるからです。