こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの吉田 幸弥です。
今回のテーマは過小資本税制についてです。
【はじめに】
国外関連者から資金調達を「借入」によって行うか「増資」によって行うかによって、法人税の負担額が異なります。借入金の支払利息は損金算入となるが、出資者に対する配当は損金算入とはなりません。そのため、資本を過少にし、税負担を回避しようとするのを対処する制度として、過少資本税制という規制が課されています。
【過小資本税制とは?】
I負債総額が純資産額の3倍を超過する場合には、国外の関連者に対する支払利息の損金算入額に制限が課されます。また、過小資本税制の対象となる場合には、金利だけでなく、為替差損も損金算入にも制限が課されます。ただし、以下の場合には、過少資本税制の適用対象外となります。
・インフラストラクチャーの戦略的発展の建造・運営・維持に係る債務の場合
・金融機関の場合
・SATとの間で事前に価格の合意があった場合
【申告を行わないとどうなりますか?】
[計算例]
期首純資産額100、期末純資産額300、月次平均負債金額1,000(国外関連会者からの借入金500)、支払利息200(国外関連者からの支払利息が100)の場合
[負債枠の決定]
|
期首純資産額※
|
100
|
|
期末純資産額※
|
300
|
|
合計
|
100+300=400
|
|
年間平均純資産額
|
400÷2=200
|
|
負債の純資産に対する限度比率
|
3
|
|
負債限度額
|
200×3=600
|
※会計上の純資産額もしくは税務上の純資産額のどちらかを選択適用することができ、一度選択した場合、最低5年間は継続適用しなければならないとされている
税務上の純資産額とはCUFIN(昨年度までの税務上の未処分利益)とCUCA(税務上の資本金)とCUFINRE(当年度の税務上の未処分利益)の合計額
[損金不算入額の計算]
|
月次平均負債額
|
1,000
|
|
負債限度額
|
600
|
|
負債限度額超過額
|
1,000-600=400
|
|
国外関連者からの借入金総額
|
500
|
|
超過額が国外関連者からの借入金に占める割合※
|
400÷500=80%
|
|
国外関連者からの支払利息
|
100
|
|
損金不算入支払利息
|
100×80%=80
|
※超過額が国外関連者からの借入金に対して占める割合が、100%を超えた場合には支払利息の全額が損金不算入となる
【まとめ】
資金調達について、「増資」は「借入」よりハードルが高いケースが多いかと思います。ただし、「借入」は支払利息を払う必要があり、今回紹介した過小資本税制や税務上のインフレ調整など、資金繰りや税務的上、不利になることがございます。
そのため、資金調達については利息によるキャッシュアウトや税務上の影響がどれくらいになるのかを事前にシミュレーションした上で慎重に行うことが重要になります。
今回は以上となります。
また、次回もよろしくお願いします!
何かご不明点等ございましたら、お問合せフォームよりご連絡ください。