【質問】
メキシコにおいて、PTU(Participación de los trabajadores en las utilidades de las empresas)という労働者利益分配金制度があると聞きました。
会社の課税所得額の内10%を労働者に分配すると聞いたのですが、どのように計算すればよいでしょうか。
【回答】
<PTU総支給額の計算方法>
- PTU総支払額(損金算入額)=PTU対象利益×10%
- PTU対象利益=課税所得+繰越欠損金-損金不算入経費内の人件費相当分※3
ここで注意しておかなればならないのは『PTU総支払額』が『課税所得の10%』ではなく、『課税所得に調整を行った額に対する10%』であるという点です。
このPTU対象利益の額は、課税所得額とほぼ同額と見なされがちですが、 PTU対象利益には『繰越欠損金』の金額は含まれません。
これはPTU制度が1年間の利益を分配する制度であり、その利益が過去の欠損金額には影響されないためです。
また同様の理由でインフレ調整も行いません。
※3損金不算入経費内の人件費相当分とは、給与や福利厚生関連の経費の損金不算入分(総支払額の47%)のことです。
PTUを計算する上では税務上損金不算入とされる給与や福利厚生関連の経費は全て費用として認められます。
<PTU総支給額の分配方法>
上記の計算方法で算定されたPTUの総支給額のうち、半分は従業員の勤務日数を基に、残り半分は従業員の給与(基本給)に基づいて按分します。
(例)PTU総支給額を100,000ペソとし、下記2名の従業員に支給する場合
従業員A:勤務日数年間90日、基本給1,000ペソ/日
従業員B:勤務日数年間150日、基本給1,500ペソ/日
- まず総支給額100,000ペソを半分に分ける
- 半分の50,000ペソは、勤務日数を基に按分
従業員A:50,000ペソ×{90日÷(90日+150日)}=18,750ペソ…a
従業員B:50,000ペソ×{150日÷(90日+150日)}=31,250ペソ…b
- 残り半分の50,000ペソは、年間給与(勤務日数×基本給/日)を基に按分
従業員A:90日×1,000=90,000ペソ
従業員B:150日×1,500=225,000ペソ
※小数点第1位繰り上げ
従業員A:50,000ペソ×{90,000÷(90,000+225,000)}=14,286ペソ…c
従業員B:50,000ペソ×{225,000÷(90,000+225,000)}=35,714ペソ…d
従業員Aへの支給額:a+c=33,036ペソ
従業員Bへの支給額:b+d=66,964ペソ
上記のような計算方法になります。
PTU総支給額の計算方法については、一般的なものとなっており、配当や固定資産の売却、インフレ調整など部分の調整も必要となります。
この記事に対するご質問・その他メキシコに関する情報へのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。