Thailand
M&A (M & A practice)
:: Question ::
証券取引法などの規制はありますか?
:: Answer ::
■証券取引法による規制 証券取引法とは有価証券の発行体や投資家が自由に参加できる公正な市場を作ることを目的とした法律です。日本の金融商品取引法に該当する法律です。上場会社のM&Aを行う場合には、公開買付規制、開示規制、インサイダー取引規制などが関連してきます。 ■公開買付規制 公開買付規制とは、上場会社の株式を取得する場合、買付の価格、数量、期間を公表し、買付を行うことであり、この義務により一部の株主のみが利益を得ることがないよう株主の公正性の維持を目的とするものです。上場会社の株式を取得する方法でM&Aを行うときは検討する必要があります。 [公開買付が義務付けられる場合] 上場会社の株式を取得した結果として議決権総数の25%以上、50%以上、75%以上を保有することとなる場合には、公開買付が義務付けられます(証券取引法247条、上場会社買収規則告示4条)。 たとえば、もともと15%の議決権を有する株式を持っている企業が、さらに10%の株式を取得した場合、247条に記載されている25%以上という条件に当てはまり、公開買付が義務付けられます。 公開買付けを行う者だけではなく、配偶者や取得者の議決権の30%以上を保有する株主など、買付者の関係者による株式の保有数もカウントの対象となる点に注意が必要です。 [公開買付の対価] 公開買付の対価については、価格と種類について以下のように定められています。 対価の種類 買付の対価を支払う場合、金銭以外の対価のみを使用することは禁止されています。以下のうちいずれかを選択する必要があります。 ・金銭のみ・金銭と現物の併用 対価の価格 価格に対する規制においては、以下の3つの額のいずれも下回らない価格としなければなりません。 ・公開買付届出書の提出日前90日間のうち、公開買付者もしくはその関係者が対象会社の株式を取得する最高値・当該株式取得日前5営業日の加重平均市場価格・フィナンシャルアドバイザーによる評価額 [公開買付の撤回] 公開買付期間が開始したのちに、公開買付を撤回することは原則としてできません。相場操縦される可能性があり、株主等に多大な損害を与える影響があるためです。 ただし、公開買付届書の提出後に、被買収会社に悪影響を与える重大な事象もしくは事実が起きた場合、買付の条件、期間の変更(上場会社買収規則24,26,29条)、もしくは買付自体を撤回することが認められています(上場会社買収規則告示45条)。しかし、重大な事象が何かというのは、具体的に明文化されていないため、実際の運用については留意が必要です。 [公開買付実施後の注意点] 公開買付者は、当該取引の成否に関わらず、原則公開買付期間終了日から1年間は対象会社について新たな公開買付を行うことができません(証券取引法255条)。 また、議決権総数が25%、50%、75%に達する株式を取得した買付者は、公開買付期間終了後6カ月間は、原則公開買付価格よりも高い価格で対象会社の発行済株式を取得することが出来ず、さらに、公開買付期間終了後1年間は、対象会社の株主総会において出席株主の議決権の4分の3以上を有する株主の承認を得られない場合、公開買付届出書の記載したことと異なる行為を行うことができません(上場会社買収規則告示48条)。 ■開示規制  [大量保有報告規制] 特定の株主が株式を大量保有すると、経営権への影響や株価の変動要因となり、会社の利害関係者へ影響を及ぼす可能性があります。そのような利害から一般投資家を保護する目的で大量保有報告規制が定められています。 上場会社の株式を取得し、その議決権割合が総議決権の5の倍数のパーセンテージに達した場合、変動があった日から3営業日以内に取得についての報告書を証券取引委員会に提出しなければなりません。 なお、議決権割合の判定にあたっては、単独の者だけではなく、その親族など、関係者全体で保有する議決権で判断される点に注意が必要です(証券取引法258条)。 [適時開示規制] 投資家の意思決定に重大な影響を及ぼす可能性のある事象が生じた場合、タイ証券取引所(SET:Stock Exchange of Thailand)の規則に基づき適時開示が義務付けられます。 例えば、新株発行による資本の変動、自己株式の取得または自己株式の処分の決定、買収、既存株主の利益に影響を与える第三者による投資、などが該当します。
Creater : Mamie Sato