2020年に倒産法Insolvency Lawという法律が成立して以降、2017年会社法ではなく、倒産法に基づく法人清算が義務付けられる一方、法律通りの関係機関が存在しない状況が続いていたミャンマーですが、2025年9月、関係機関が整備されました。
以下の通り状況をお伝えします。
1.法律の規定
・ミャンマーで法人登記を行った法人は、倒産法に基づいた法人清算を経て清算される必要がある
・法人清算は、清算実務家Insolvency Practitionerとして活動する弁護士ないし公認会計士を清算人として任命することにより実行する必要がある
・清算実務家は、清算実務家協会Insolvency Practitioners Associationに所属している必要があり、かつ清算実務家規則審議会Insolvency Practitioners Regulatory Councilにより発行される執務認定書Practising Certificateを保有している必要がある
・執務認定書は、弁護士ないし公認会計士としての執務年数が10年以上の専門家にのみ付与される
2.不備と臨時対応
上記法律の規定のうち、3点目で執務認定書Practising Certificateを発行するはずの清算実務家規則審議会が、法律施行後5年にわたり設置されないままでした。
その間も、当然ながら外資企業、ミャンマー企業に関らず、現地法人を清算したいという企業は少なくありませんでした。
しかし、法律をそのまま読めば、執務認定書の取得なくしては何人たりとも法人清算を実施してはいけないということになっていたため、法人登記に責任を負う投資企業管理局DICAは矛盾を抱えることになりました。
そのため、臨時的(かつ非公式)な対応として、清算実務家協会に属している弁護士ないし公認会計士であれば、一旦清算実務家規則審議会の発足までの間、清算人として任命されることを認める、という対応が取られていました。
3.関係機関と申請方法の整備
2025年8月のミャンマー政府各省庁の再組織とそれに続く9月の通達により、清算実務家規則審議会の発足および執務認定書発行申請が開始されました。
具体的には、各弁護士および公認会計士は、投資企業管理局DICAのポータルサイトMyCO上で、自分の所属する組織の名前であればそのアカウントでログインし、個人の名前であれば別途アカウントを作成してログインしたうえで、それぞれ登録を行って申請することになりました。提出フォームはForm P-01と名付けられています。
同時に、DICAから申請用紙を購入して記入・複製を行い、合計13部印刷して紙面での提出をすることも義務付けられていますが、いずれにしても法律の規定する有資格者の条件が出そろい、限定された資格者による法人清算が実現されることになりました。
今後も、申請方法等が変更になる可能性はありますが、むしろ法人清算の実務で紙面に依存していた書類の電子化、およびMyCOポータルサイト上のフォームの拡充うが行われることが予想されており、よりスムーズな法人清算の実務に期待が寄せられます。