Progoti Scheme(民間企業向け年金制度)
  
Topic : Labor
Country : Bangladesh

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本日は、「Progoti Scheme(民間企業向け年金制度)」についてです。

 

  1. 概要

2023年8月17日、バングラデシュ政府により導入された「ユニバーサル年金制度(Universal Pension Scheme)」は、国民の社会保障充実を目的とした国家プロジェクトです。ユニバーサル年金制度にはいくつかのプログラムがあります。その中で、民間企業および非政府機関(NGO)の従業員を対象として設計されたのがProgoti(プロゴティ)」スキームです。

 

Progoti Scheme(バングラデシュ民間企業向け年金制度)概要

項目

内容

対象者

18歳〜50歳の民間企業・非政府機関の従業員が対象。
拠出は60歳になるまで継続。
50歳以上での加入も可能ですが、受給開始までに最低10年間の拠出が必要です。

運用実績

政府発表によるFY2024-25の運用利回りは最大11.61%と発表されています。
拠出額に応じて生涯年金額が変動します。

受給期間

60歳から生涯にわたり支給されます。
万が一、受給者が75歳以前に死亡した場合は、残りの期間分を遺族が受け取ります。

税制メリット

拠出金は投資とみなされ、所得税の控除対象となります。
また、受取時の年金は非課税となります。

登録状況

2025年6月30日時点で、約 373,987名 が登録。
制度開始(2023年8月)から約2年間で着実に加入者が拡大しています。

           

 

 

  1. 運用方法

Progotiスキームは、企業と従業員が協力して将来の資金を積み立てる仕組みとなっており、デジタル化されたプラットフォームを通じて管理されます。

 

▼ 運用ステップ(STEP 1 〜 STEP 5)

STEP 1:企業・従業員の登録

  • 企業と従業員の双方が www.upension.gov.bd にてオンライン登録
  • 銀行やユニオンデジタルセンターでも手続き可能
  • 登録に必要なもの:国民ID番号、携帯電話番号、銀行口座情報

STEP 2:拠出額の選択

  • 毎月の拠出額を選択:2,000 / 3,000 / 5,000 / 10,000タカ
  • 最低拠出額:2025年の制度改定により1,000タカへ引き下げられました。
  • 拠出割合:従業員 50% ・ 雇用主 50%
  • 雇用主負担の上限:基本給の10%またはTk 5,000(低い方)

STEP 3:毎月の支払い

  • 支払方法:銀行窓口 / モバイルファイナンシャルサービス/ オンライン振込 / カード払い
  • 30日間の猶予期間後、1日1%の延滞利息が発生
  • 連続3ヶ月未払いでアカウント停止(医療・失業理由で最大12ヶ月猶予申請可)

STEP 4:積立・運用

  • 積立金は政府が安全な金融商品で運用・管理
  • FY2024-25実績:年率 11.61% の利益を配分
  • 積立金の最大50%を無担保ローンとして借り入れ可能
  • スキーム間の変更も手続き可能

STEP 5:年金受給(60歳〜)

  • 60歳到達後、毎月年金が生涯支給される
  • 受給額は拠出総額・拠出期間・運用利回りにより決定
  • 75歳以前に死亡した場合:残期間分を指名された受取人が受取
  • 受取年金は非課税

 

 

主な制度設計

 

項目

内容

拠出額の選択肢

月額 2,000タカ、3,000タカ、5,000タカ、10,000タカ
(上限額は2024年に引き上げられました)

最低拠出額

通常:1,000タカ / 外部委託労働者等:500タカ

拠出負担割合

従業員 50% / 雇用主 50%
※雇用主負担の上限は「基本給の10%」または「Tk 5,000」のいずれか低い額

支払方法

銀行窓口、モバイルファイナンシャルサービス(MFS)、オンライン振込、カード払い

 

 

▼ 運用ルールと注意点

  • 遅延損害金: 支払期日から30日の猶予期間経過後、1日あたり1%の延滞利息が発生します。
  • アカウント停止: 連続3ヶ月未払いの場合、アカウントは一時停止されます。ただし、医療上の理由や失業等の場合は、最大12ヶ月の猶予申請が可能です。
  • 貸付制度: 緊急時には、それまでの積立総額の最大50%を貸付として借り入れることが可能です。
  • 手続き: 登録から管理まで、専用ポータルにてオンラインで完結します。ユニオンデジタルセンターや、ソナリ銀行・アグラニ銀行等の窓口でも支援を受けることができます。

3. 企業への影響と対策

(a)コスト試算(日本企業への実務影響)

従業員100名の企業が、月額3,000タカのプランを選択した場合のコストイメージは以下の通りです。

【試算条件】 月額拠出額 3,000タカプラン、対象従業員 100名

雇用主負担額:3,000タカ × 50% = 1,500タカ/人・月

月間総コスト:1,500タカ × 100名 = 150,000タカ/月


※雇用主負担には「基本給の10%またはTk 5,000のいずれか低い額」という上限規定が適用されます。

(b)導入のメリット

  • リテンション強化: 従業員の将来不安を軽減し、離職率の低下や優秀な人材の確保に寄与します。
  • コンプライアンス: 政府公認制度への参加により、労働法遵守の姿勢を明確にできます。
  • 税務効果: 雇用主負担分の拠出金は、損金算入が可能となる場合があります(詳細は顧問税理士等への確認が必要です)。

(c)実務上の注意点

  • 制度自体は形式上「任意加入」からスタートしましたが、法改正により実質的な義務化が進行中です。
  • 外資系企業であっても、バングラデシュ国内で雇用する現地従業員は対象となります。
  • 登録・管理はデジタルで完結しますが、日本本社の内部統制ルールや給与計算システムへの反映準備が必要です。
  • 政府によるルール変更(利率や上限額など)が頻繁に行われる可能性があるため、定期的な情報収集が推奨されます。

 

 

参考文書
 

 

 

 今回は「Progoti Scheme(民間企業向け年金制度)」について解説しました。

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※本記事は、バングラデシュに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。

Creater : 塚田 涼太