【税務/通関】CBICが製造業者向け輸入関税後払い制度を導入:Eligible Manufacturer Importer(EMI)制度
  
Topic : Tax
Country : India

概要
2026年2月28日、中央間接税・関税委員会(CBIC)は通達(Circular No.08/2026‑Custom)を発表し、製造業の輸入者が輸入関税を後払いできる「Eligible Manufacturer Importer(EMI)」制度を創設しました。制度は2026年4月1日から2028年3月31日まで適用され、輸入品を関税なしで即時通関し、翌月初め(3月分は同月末)までに関税をまとめて納付する仕組みです。申請受け付けは2026年3月1日開始で、AEOポータルから電子申請します。財務省は、本制度により信頼に基づく通関環境を構築し、製造業の競争力を高めると説明しています。

ポイント

  • 制度の目的と期間:従来AEO認定者に限られていた後払い特典を製造業の輸入者にも広げ、資金繰りの改善とAEO取得促進を狙います。制度は2年間の時限措置で、AEO Tier2/3取得が期待されています。
     
  • 適格要件:申請者は製造業者または指定されたジョブワーク利用者で、輸出入実績が年間25件以上(中小零細企業は10件以上)、有効なIEC(輸出入業者番号)とGST登録を持ち、年商5千万ルピー超、過去2年の事業実績とGST納税履行などが求められます。財務健全性や法令違反歴のないことも必要です。既存のAEO‑T1認定中小企業も対象となります。
     
  • 申請・運用:申請はAEOポータルで行い、DICが審査・承認後ICEGATEに登録されます。承認後は担当者がOTP認証を行って毎月の関税を支払います。税関当局はICISレポート等で利用状況を監視し、未納や不正があれば認定を停止できます。
     
  • 実務上の注意点:後払いを利用するには社内の関税管理や支払処理を強化し、納付遅延による利息負担を避ける必要があります。2年以上の事業実績条件は新規参入企業にはハードルとなるため、ジョブワーカー経由のスキームも検討してください。さらにICEGATEによるデジタル手続きに対応するため、財務・物流・IT部門の連携も不可欠です。
     

まとめ
EMI制度は、インド製造業のキャッシュフロー改善と貿易円滑化を目的とした信頼ベースの施策です。対象となる日系企業は制度を活用することで資金繰りを改善しつつ、AEO取得に向けた内部統制やコンプライアンス体制を整備する必要があります。制度は期間限定であり、終了後はAEOへの移行が前提となるため、早期の準備が重要です。今回の後払い制度は、インドの「信頼ベースの関税改革」を象徴するものといえます。

本日は以上になります。
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Creater : ARATA KABE